長崎のひな祭りに欠かせない桃かすてらとは
カステラ伝来の地として知られる長崎では、桃の節句の時期にだけ店頭に並ぶ特別なカステラがあります。それが、桃カステラ。桃をかたどったカステラ生地に、白いすり蜜をかけ“桃の実”を模した、かわいらしいカステラです。中国で古くから桃は“長寿の実、厄除けの実”といわれたことから、長崎のひな祭りには欠かせない縁起物となっています。ご自宅でのお祝いの席にはもちろん、初節句のお返しに「内祝い」として使われたり、離れて暮らすお孫さんへお祝いに贈られる方もいらっしゃいます。
桃かすてらの季節を待っているファンが多数
昭和14年の創業から“まちの和菓子屋さん”として親しまれ、市内に多くのファンをもつ「和菓子舗 梶山」。昔ながらの手づくりにこだわる長崎かすてらはお店の人気商品ですが、期間限定の「桃かすてら」も毎年店頭で大好評です。梶山のかすてらは、てんさい糖由来の自然な甘さが特徴。生地の上にかける甘いすり蜜(フォンダン)と食べると、口どけよく絶妙な甘さになります。また、他店にはない、お雛様の着物を思わせる和紙製の型も魅力のひとつ。節句のお祝いを華やかに彩ります。
季節の移ろいと故郷の味を大切にした和菓子店
昭和14年創業、佐世保で愛されて70有余年の「和菓子舗 梶山」。現在は3代目と4代目が力を合わせ、四季の移ろいを感じさせる季節の和菓子、ふるさと長崎に伝わる菓子づくりに力を入れています。地元の商店街にある、決して大きくはない和菓子屋さんですが、一つひとつ心を込めて手作業で作っています。佐世保の定番みやげの一つである「ゆずもなか」をはじめ、端午の節句の「鯉菓子」や桃の節句の「桃かすてら」も、毎年たくさんの注文が来るほど大人気。変わらぬ味と真心で、佐世保で愛され続けている和菓子屋さんです。