昔は藁、今はストローで巻かれたふるさとの味
地元では「あご」と呼ばれる飛び魚。長崎出身の方には「あごスボ」という名前の方が馴染みが深いかもしれません。五島の海から水揚げされた新鮮な飛び魚を使ったスボは、すり身をストローでぐるりと巻いて作られた蒲鉾です。ストローを取ってからそのまま切って盛りつけ、わさび醤油や梅干しのペーストなどをつけてお召し上がりください。煮ものに入れてもおいしく召し上がれます。お酒のアテに、お子さまのおやつに、おべんとうにと大活躍のひと品です。
新鮮な魚を、絶妙なすり身にする老舗の技
佐世保魚市場への出荷が早朝4時。これに合わせて、ご家族を中心に総勢10名が深夜から早朝にかけて製造を行う前田蒲鉾店。ソフトに練り上げられたすり身は、素材本来の自然な味が楽しめます。すりつぶし練り上げる作業は仕上がりを左右する重要な行程で、この丁寧な作業から生まれる味が常連客をつかんで離さない理由となっています。長年の経験が活きた匠の目と技が光る絶妙な仕上がりは、スボのようなシンプルな練り物ではよりストレートに表現されます。
できたてを待つ常連客を笑顔で迎える
早朝の出荷が終わると朝9時には店を開け蒲鉾や天ぷらがケースに並び、できたてを待ちかねた地元のお客さまが次々買い求めに来られます。中には口コミで知ったという、福岡からのお客さまもあるそうです。一度食べるとまた食べたくなるとリピーターも多数。魚と野菜の旨味をたっぷり味わえる定番ラインナップが並ぶ陳列ケースは見るだけでワクワクします。
早岐のまちで70年、変わらぬ味をお届けします
昔から海のものと山のものが集まる市が立ち、交通の要衝でもあった早岐のまちで、70年のときを刻んできた前田蒲鉾店は、3代続く老舗です。馴染み客と会話を交わす姿もほほえましく、瀬戸からの風の香りとともに風景にとけ込みます。防腐剤を一切使わないため健康志向の方の来店も多く、厳選した良い素材だけを自然なおいしさに仕上げるまっすぐな姿勢を貫き、身体に良い商品で応え続けています。