鯨三昧の小鉢で、おうち居酒屋気分
せっかくの鯨。ここはちょっと目先を変えて、「おうちで居酒屋気分」を楽しむのはいかがでしょう。特上湯かけ鯨はウネという上質な胸の辺りの肉で、マグロで言えばトロのような部位。鍋でさっと湯がいて出せるおいしく手軽な一品です。ポン酢&柚子胡椒、生姜醤油でお召し上がりいただけます。おいしいお酒と一緒に、煮ものなど小鉢にちょっとずつ盛りつけて、付け出しの雰囲気作りをしてみるなど、1日の疲れを癒すほっとする空間と食を自宅のテーブルにつくり出すきっかけとして、鯨を使ってみませんか。
懐かしさナンバーワンの汐赤身鯨
汐赤身鯨は赤身を塩漬けしたもの。昔、畑仕事で汗をかいたとき、お昼ごはんに七輪で焼いて食べていたそうです。現代では敬遠されがちな塩分ですが、適度な塩分はやはり身体に必要なもの。特に汗をかく季節は身体を維持するための大切な要素でもあります。網やグリルで焼いたあと、水に浸けて塩抜きしてお召し上がりください。焼けるときの匂いだけでごはんが食べられそうな存在感です。しっかり塩抜きしてからポン酢で食べたり、塩辛いままごはんに乗せてお茶漬けにするのもあり! です。
だしの風味が効いた鯨と野菜の煮もの
昔はよく食卓にのぼっていた、鯨の煮もの。改めて食べてみると、そのだしの威力に驚きます。風味豊かでいつもの煮ものが生まれ変わる感覚です。煮しめ湯かけ鯨は、ウネよりも脂分が多く柔らかく、野菜と一緒に煮込めば煮込むほどトロリとして、鯨の旨味が染みていきます。だしの風味と食感、鯨でなければ出せない味を、ぜひお楽しみください。
日々の食卓に、おいしくヘルシーな鯨を
昔から交通の要衝であった早岐のまちは、海から山から人・モノが行き交う佐世保の物流の拠点でした。このまちで90年続く老舗の鯨屋が森山くじら店です。鯨屋の娘として生まれた女将さんは、少女のころから祖父や父の背中を見ながらお店を手伝ってきました。現在は3代目店主としてお店の切り盛りをし、下ごしらえから販売までほとんどを1人でこなされています。「おいしくて健康にも良い鯨という食材を、もっとたくさんの方に味わっていただきたい。高級食材としてではなく、もっと気軽に日常的に…」そんな思いとともに、いただく命への感謝を胸に、余すところなく丁寧に手作りされています。